猫の自殺

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大坂の博労の鍛冶屋八兵衛の妻は病気が重くて、とうとう亡くなってしまった。
死期が近づいた頃、長い事飼っていた猫が布団のあたりを離れずにいたが病人が「私はまもなく死ぬ。死んだあと、お前を可愛がってくれる人もおるまい。どこへでも行ったらよい」と言うと猫はしょんぼりと傍にいた。

病人が死んで野辺送りの時その猫は柩の後ろからついてきた。人が追い返すと猫は家に帰り、舌を食い切って死んでしまった。
貞享2(1685)年10月28日のことである。

 

[参考文献:新著聞集]

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