【実話】赤いもの

筆者が高校時代に体験した不思議な事である。あまり怖くはないかもしれないが…。

筆者は軽音部に入っており毎日帰りは19時くらいに学校を出ていた。練習は早く終わるのだが同じバンドのメンバーとのお喋りに夢中になってしまい毎日遅かった。
いつもなら途中まで一緒に帰るメンバーの女の子が一人いるのだが、その日は一人で帰った。理由は忘れてしまった。
一応学校で決められた通学路がある。いつもの友人がいてれば通学路を通るとその分話せるのでそっちを通るのだが今日は一人だと思い近道をすることにした。その近道は車がやっと一台通れるほどの細い道で右側は住宅が建っているのだが左側は墓地となっていた。
あまりそういう事は気にしない性質なので近道となるその道へ自転車をこいでいた。
墓地に差しかかるにつれ「なにあれ?」というのが墓地の入り口に目についた。そこは街灯もなく自転車のライトのみでしか見えない道路である。それなのに墓地の入り口に人の頭ほどある赤く発光したものが転がっていた。
初めはそういうボールなのかもしれないと思ったのだが、見ていると風もないのに墓地の入り口をコロコロと往復しだし、ずっと発光していたのがチカチカと瞬くようになってきた。
「見なかったことにしよう」と筆者は駆け抜けることにした。その後特に何もない。

火傷の治療

昭和の初めごろの話である。夕張で開拓民として本州から渡ってきた炭鉱夫の男性が爆発事故に巻き込まれた。
一命は取り留めたものの全身火傷の重体だった。昭和初期の頃なのでろくな治療もされず全身包帯に巻かれ妻のいる飯場の一部屋でに担ぎ込まれた。
付き添いの医者は「今夜乗り切れば助かる。もし何かあれば呼びにきなさい」と自宅の場所を言って帰った。
その真夜中、玄関に誰かの気配を感じたので妻が出てみると大勢の人間が立っていた。彼らが言うには「自分たちは彼と同じ職場で働いている仲間である。今日は事故に巻き込まれてしまい早くお見舞いにきたかったのですが作業があったのでこんな遅い時間になってしまった。どうか自分たちにも彼の看病の手伝いをさせてほしい」
妻は一人で心細かったので部屋に入りきれないほどの仲間たちを迎えた。
その中の一人が「自分は医術の心得がある。これはひどい火傷だが私は火傷の治療に長じているので今夜施せば彼はすぐ治る」との事で妻は何も言えずそれに従った。
治療は荒く、「火傷には焼け焦げた皮膚を取り除くのが一番の治療だ」と言い、彼の包帯をほどき皮膚を無造作に剥ぎ取り続けた。
彼はあまりの痛さに耐えられず絶叫し、泣き叫んだがその男性は治療を続けた。
しばらくして男性は「これで良くなる」と治療を終わり席を立った。妻は何度も頭を下げながらお礼を言った。
部屋に戻ると入りきれないほど居た人たちが一人残らずいない。妻は疲れたので少し休もうと思ったが彼の顔色を見るとまるでロウのようであり、妻は号泣した。
騒ぎを聞きつけた医者は彼を見て妻を怒った。「誰が患者をいじったのだ!」
包帯を取り除いた医者は思わず彼の体から目をそむけた。無残に皮膚を剥がされた遺体がそこにあった。

警察が呼ばれ半狂乱の妻から事情を聞いたが、昨夜訪れた男たちが一体誰なのかどこを調べてもわからなかった。
話を聞いたある人が「それは狐の仕業だろう」と言ったらしい。狐にとっては人間の疱瘡や火傷の跡は霊薬となるらしい。
妻は目が元々悪く狐たちはそこに付け込んだのだろう。
その後、妻はどうなったのかわからない。

 

[参考文献:怖い話・都市伝説]

幽霊授業

ある定年退職間近の教師がいた。その教師は気が弱く生徒からも頼りにされていなかった。そんな彼がある夜にもう廃校へ向かっていた。それを見ていた女教師が後をついていくとその教室には生徒がおり彼はいつもと違ってとても熱心に授業をしていた。女教師が「廃校で勝手に授業してはいけないのじゃないですか」と言うと彼は「ここの生徒は熱心に聞いてくれてとても嬉しい」と言い、生徒達も「先生に文句言うな」とその女教師に襲ってきた。
彼女は必死になって逃げるともう追いかけてはこなかった。女教師はすぐに警察を呼んだがそこはもう廃校になっていた。残っていたのは荒れ果てた床の上に一枚の写真だけだった。そこにはあの生徒達と教師が写っていた。
後日、その廃校は10年ほど前に火事になりその時に多くの生徒が亡くなってしまったため廃校となったらしい。そしてあの夜以降廃校で授業をしていた教師を見たものはいない。

 

[参考文献:日本現代怪異事典]

箱の中

昔、紀遠助(きのとおすけ)という侍がいた。遠助は京都の殿様に仕えていたが久しぶりに休みをもらったので故郷の美濃国(岐阜県)に里帰りをした。
国で待つ妻への土産を馬に積み道を急いでいると橋の上に女性が立っていた。女性は手を広げて遠助を止めた。
「段の橋へ行かれますか?もしそうでしたらこの箱を段の橋にいる女の人に渡してほしいのです」
その橋なら通り道なので、遠助は快く引き受けた。
女性は「その箱の中身は絶対見ないでくださいね」
遠助は帰り道、段の橋へ寄るのを忘れそのまま自宅まで帰ってしまった。そして妻へお土産をあれこれと渡していた。そして預かった箱を見て思い出した。妻に事情を話したのだが「この箱はその女への土産なんだわ」と嫉妬し、遠助が席を外している間に開けてしまった。
「きゃあああああああ」と悲鳴を上げた妻の所へ遠助は駆けつけると妻は倒れていた。箱の中身を見たなと遠助もついつい見てしまった。中身は箱の中びっしりと詰め込まれた人間の目玉だった。
「えらいことだ、早く届けなくては」と箱を抱え馬に飛び乗った。真っ暗な道を必死で走り段の橋に着くと美しい女が立っていた。
「遅れてすまなかった」と箱を渡そうとしたところ女は「箱の中身を見ましたね。見てはいけないとイッタノニ…」と女の声が歪み形相も変わってしまった。
それに驚いた遠助は慌てて逃げ出し家に帰ると布団にもぐりこんで震えながら神仏に祈った。
「お助け下さい、お助け下さい、お助け下さい」
翌日、遠助は布団の中で冷たくなって見つかった。

 

[参考文献:本当に怖い怪談]

ゆかりちゃん

あるところに、ゆかりちゃんという女の子がお父さんとお母さんと3人で暮らしていた。しかしゆかりちゃんが小学校5年生の頃にお父さんが事故で亡くなってしまった。
それからはお母さんが朝早くから夜遅くまで必死になって働いて、ゆかりちゃんは小学校を卒業し中学校も卒業間近という時期に元々病弱だったお母さんは過労が重なり倒れてしまった。
亡くなる直前お母さんはゆかりちゃんを枕元に呼び「ゆかり、おかあさん先に逝ってしまうけどごめんね。もしどうしても困ったときはこれを開けなさい」と手作りのお守り袋をゆかりちゃんに゚渡してお母さんは亡くなってしまった。

それからゆかりちゃんは親戚の家に引き取られ高校へ通うようになった。通学かばんにはお母さんのお守り袋をつけて。
ある日クラスの男子がゆかりちゃんに「そのお守り袋見せろよ」とからかってきた。渡さないようにしていたのだがとうとう男子の手にお守り袋が渡ってしまった。男子は遂に中身を見た。それを見た男子は言葉がでないようだった。ゆかりちゃんは当然中身は知らないので男子からその手紙を返してもらった。
ゆかりちゃんはその手紙を読んだとたん号泣してしまった。
手紙にははっきりとお母さんの字でこう書かれていた。
「ゆかり 死ね」

 

[参考文献:都市伝説ファイル]