恩返し

鼠の恩返し

寛文6(1666)年の頃、江戸の香具屋九郎左衛門の家で鼠が余りに増えたので、仕掛けをして鼠を捕え家来の者に「殺せ」と命じた。
しかし、家来は可哀想だと思い逃がしてやった。
その晩の事、夢の中に子供が一人出てきたと思ったら「夕方に命を助けていただきかたじけなく存じます。どうぞお酒をお一つ召しあがりなされ」と勧められ、金魚を肴として出したのを食べるところで目が覚めた。するとなにやら口の中に何かがある。
吐き出してみると金子一分である。それからというもの九郎左衛門の家では鼠を殺さなくなったという。

髑髏の話

髑髏宝亀9(778)年の冬に備後国(広島県)の、品知牧人(はむちのまきひと)という人が正月の買い物をするために同じ国の深津の市場へ行ったが帰り道の途中で日が暮れてしまった。

そこで竹藪の中で一夜を過ごしていたら「目が痛い」という声を聞いて怖くてうずくまっていた。
翌朝、外に出てみれば一つの髑髏があり、目の穴から筍が生えていた。
筍から抜出し、自分が食べようと思っていたご飯をお供えして「僕に幸福を下さい」とお祈りをして市場へ行った。 続きを読む