病気

殺した実母が迎えに来る

昭和3年6月27日の夕方、大阪の玉造署へ40代の男が「母を殺しました」と言って自首してきた。
この男は箪笥職人のKという者であるが、大正10年8月28日午前2時ごろ当時住んでいた天理教会所で62歳になる実母のIは胃癌で永らく病床についていたが治る見込みもなく息子夫婦が薬代や看病に困っているのを気に病んでいた。
どうせ死病なら自分の腹を痛めた息子の手で死にたいと言い出した。息子は最初のうちは冗談だと思い相手にしていなかったが、母がしきりにそのことを言うし生活難ではあったしと、ある夜母親の言いつけどおり手ぬぐいで首を絞めて殺し、何食わぬ顔で葬儀もだした。
自首するまで黙っていたが殺した実母が夢に現れて「お前を迎えにきた」というので自首してきたという。

今現在でもよくニュースで伝えられるような事件だが、胸の痛む事件である。

下女の幽霊

鵜殿式部という人の元で、数年奉公して目を懸けられるほどだったのだが病気を患い、暇をもらい家へしばらく帰っていた。
しばらく経った頃、その女性が式部の母が隠居している家へ行き「長い間養生させていただき、有り難うございました」と重箱に団子を詰めて、また働くと挨拶に来た。
隠居は「まだ顔色も悪いからもう少し養生した方がいいのではないですか?」と言ったのだが、「是非今日からまた働きます」とどこかへ行ってしまった。
隠居は同僚の人たちに「あの女性が戻ってきたがまだ顔色も悪いので助け合って仕事をしてあげてください」と告げた。
しかしその後、その女性はどこかへいったまま戻らず所々へ尋ねたが行方がわからなかった。
それにしても団子が詰まった重箱は置いたままである。
仕方がないので、その女性の家へ使いを出したところ「連絡が遅くなってすみません。その者は2~3日前に亡くなってしまいました」との事だった。