祟り

神木の祟り

鎌倉佐助谷の稲荷の別当は扇ガ谷に住む佐治右衛門の弟であった。社内の神木が生い茂ると誰はばかることなく、たくさん伐採して生活の糧としていた。
だが、たちまち御咎めが出て、妻子とも気が違ってしまった。それだけでも憂鬱な事だというのに年取った母は邪見放逸である時「3歳になる孫を斬ってみせよ」と催促した。
佐治右衛門はなんとも思わず「心得た」と言って無残にも孫を斬り「これを見ろ」と言ったところ老母は「ああ、心地よい」と言ってとても喜んだ。
そののち延宝8(1680)年10月20日、にわかに大雨となって雷が落ち老母の身体を二つ三つに引き裂いてしまった。
佐治右衛門は程なく自害してしまった。

 

[参考文献:新著聞集]

【妖怪】家鳴り

日本各地に伝承される身近な妖怪である。家や家具が理由もなく揺れだすという、いわゆるポルターガイストである。
西洋では「ラップ現象」とも言われている。

江戸時代、但馬国(兵庫県北部)で浪人たちが肝試しをした。
近所では幽霊屋敷といわれているところだ。現代の人達もよくしている廃墟巡りのようなものだったのかもしれない。

彼らは泊り込んでいたら夜更けに突然、家全体が揺れだした。地震かと思い、外へ出てみたが揺れているのは家のみであった。
この怪異が翌日も怒ったので、僧に頼んで一緒に泊まってもらう事となった。
そして家は再び揺れ始める。僧は畳を見つめ激しく揺れてる場所に小刀を突き立てるとピタリと止まった。

翌朝、床下を調べると墓標があり、その墓標には「刃熊青眼霊位」と書いてありその「眼」の部分から血が出ていた。
近所の人に聞いたところ、その近辺で荒らしまわっていた熊をこの家に住んでいた男が殺し、たたりを鎮めるために墓標を立てたとのことであった。しかし熊の霊は強く彼を殺してしまって現在も数々の怪異をおこしていたということだった